焦点

でっかいことに焦点を

大手メーカに勤めた新入社員のあなたへエール。

どもども。いわゆる大手メーカーに勤めているものです。

かれこれ10年前後働いております。

会社では機械設計をしながら、社外ではメーカ技術者はもちろん、金融・営業関係の人や、中小企業の社長さん、もっと怪しい人々などいろいろと絡むことが多く、その中で思うことも多くあり。

その会社で後輩ちゃんたちが着々と増えてきていることもあり、いろいろと思うところもあるため、役に立ちそうなことを書いてみようと思います。

結論からいくと「手配師になるな!」ということをお伝えしたい。

中小企業の人から見ても、若手技術者が技術をわかっていないことが多いとのこと。

何なら中堅の人でも狭いことしか知らず、本当に大丈夫か?となることが散見されるよう。

会社の中から見ていると理由がよく分かる。

むしろ、構造的に仕方が無いと思える面もある。

それはコストダウンと納期の短縮の結果、そうなってしまうということ。

過去、20~30年前は今から見れば牧歌的な時代だったのではないか。

全体的にチャレンジと失敗が許容されうる世界。

なぜなら効率向上やコストダウン、機能追加の余白が多かったから。

ちょっと失敗しても別の案でリカバーが可能だったのだろう。

しかしながら、現在は効率もコストも非常に高いレベルにある。

これまで優秀な人達、生き残り達が最速で開発を繰り返してきた。

経営層や営業側から見るとそのクオリティを毎回超えることを求める。

その事自体は当然やしどんどんやるべき。

ただし設計側が代替わりするとどうしても一度クオリティは落ちざるを得ない。

人脈が足りないからお願いしても動いてくれるスピードが上がらない、 失敗することが許されないので安牌を取ろうとするばかりにコストが下がりきらない、 そもそも経験も足りず判断の速度が上がらない。

そんな中どうやってクオリティを下げずに速度を維持するかというと外注さんを上手に使うことになる。

日程を立てて、いろんな業者さんにお願いして、フォローと支払い業務に注力する。

自分で技術検討をする時間を削り、日程調整と業者フォローに注力する。

その結果、先輩と同等以上のスピードで同等以上の開発「結果」を得る。

上司たちもあまり良くないとは思いながらも、お仕事としてそのやり方を止めるに至らない。

そんなことで本当に良いのか?

タコが自分の脚を食うようなものではないのか?

すべてが全ては無いだろうが、自動車、機械、電機といったメーカで散見される状況ではあると思われる。

そうでないとゲストエンジニアの企業(いわゆる派遣会社)がこれだけ拡大することも無いだろう。

社内でも自社の技術者より外部の技術者の方が使えるという事になりうる。

自社の人が調整を行い、外部から来た人に設計検討、図面作成、試作品の受け入れ~評価、量産型の確認まで。

本末転倒すぎる。

さて、これを読んでくれている殊勝な新入社員の方へエールを送りたい。

強い気持ちを持って、自分で技術を高めようとする。

短期的な評価を捨てる。

あいつはなんか自分でやろうとあがいている。

そういうキャラになれば、応援してくれる人が出てくる。

同時に邪魔をしてくる人も出てこないとも限らない。

でもなんとか可愛いキャラを貫いて欲しい。

大事なポイントは、しょうもないように聞こえるとは思うけれど、「笑顔」だ。

おっさんの笑顔なんて誰がみたい?と思うなかれ。笑顔のパワーは凄い。

女の子であればなお良い。

業務上ジェンダーレスは死守するものの、現実的に働いている人間(主におっさん)の心は笑顔で動いてしまう。

話を戻して、自分でやろうとあがくことにより、そうなれなかったおじさんたちが夢を託してくれる。

そうなればこっちのもの。

業者さんも巻き込んでしまえ。

いろんな技術を叩き込んでもらえ。

自分で失敗しろ。

決めて、それを邪魔されても、貫け。

特に大企業に勤めることが出来たのなら、あなたの失敗で会社は(まだ)揺らぐことはない。

技術力は、失敗した数に比例すると思う。

俺もまだまだ失敗が足りない。

攻めが足りない。

中小企業の人に技術、現場を任せている場合ではない。

手配をあとに回せ。

技術検討を先にしろ。

どうせ手配は常にギリギリだ。腹をくくって後回し。

怒られたら笑顔で謝れ。

どうせどの仕事もぎりぎりの速度でやっている。

1年なんかあっという間だ。

終わった仕事は終わった仕事になる。

手配師になるな。技術屋であれ。