焦点

でっかいことに焦点を

100033: インシテミル(58冊目)

米沢穂信 著

【腹の底から・・・】

友人が僕にこの作者を、お勧めするようなしないような、ふんわりした感じで紹介してくれた。

本作は映画化が予定されている。

内容は、時給11万2千円がもらえるモニターのアルバイトで集められた男女12人が地下に閉じ込められ、実験に参加する。

実験は丸7日間。

実験の内容は、実験がスタートするまでは知らされない。

ただし、実験の間は参加者が何を起こそうとも日本の法律は適用されない。

地下で何が起き、どうなっていくのか・・・。

所謂、古典的ミステリィ

多くのな古典を踏襲しているようで、作中で引用もしている。

残念ながら私はほとんど読んでおらず、分からないところが多かったにも関わらず、そんなの関係ないレベルで読ませる。

面白い。

ミステリィ好きならさらにさらに楽しめるはず。

この作者の力量は本当にすごい。

まずは文体。

ユーモアにあふれていると同時に恐怖を感じる。

語り口が腹の底に響いてくる印象。

次に内容の散りばめ方。

二回目ぱらぱらと目を通してみたが、こんなにいろいろちりばめられているなんて。

たまらん。

ぜひ二回読んでみてください。

最後に、表紙の絵が意味深。

イラストは村尾亘さん、デザインは関口信介さんらしい。

一流やわ。

人間の怖さに直面するこの本。
おすすめです。