焦点

でっかいことに焦点を

100074: 技術者のためのマネジメント入門 −生きたMOTのすべて(99冊目)

伊丹敬之・森健一 編

MOTに関する多くのトピックについて様々なアイデアを豊富な実例と共に紹介してくれている。ただし、MOTに関する入門の本は、難しい。広く浅く掴んでいるため、抽象的にならざるを得ないからである。

そもそも、MOTの定義が著者によってまちまちであることも難しさの原因のひとつであると思う。出来る限り広い範囲からMOT、技術経営を定義してみると内容は大きく3つ、技術のマネジメント、人間のマネジメント、技術を人をつなぐマネジメントとなると思う。

1.技術のマネジメント
現場レベルでは品質管理、開発や研究のレベルでは知財管理はもちろん、イノベーションを生み出す手法までを包括しうる。
2.人間のマネジメント
一番小さいチーム管理から、CTO(Chief Technology Officer: 最高技術責任者。会社全体の技術を管理。イメージとしては研究所所長。)の会社全体レベルまで。
3.技術と人をつなぐマネジメント
マーケティング、NPV(Net Present Value: 現在卵の技術の将来価値を定量的に表す手法。経営層の説得に使える)、など。

MOTに取り組む技術者としては、3のレベルを目指すと楽しいと思う。1はガッツリ技術者、2は完全な経営者といえる。そこを超えるには、技術に精通した上で、内容を分かりやすく(=利益につながる形で)社内外の人に説明する力を身につける必要がある。

そこで、これからMOTやる人は、その内容が主に見ているのは技術または人或いはその間なのかを意識すると楽しくなるしやりがいもどんどん生まれると思いますっ。