100072: 罪と罰 上(97冊目)
ドストエフスキー 著
工藤精一郎 訳
言わずと知れたドストエフスキー。
罪と罰は、お金に困った青年が質屋を営む老婆を殺しに行く。
老婆だけでなく、同居している30歳代の女性まで手にかけてしまう。
その後、それが心の重荷になり、主人公の心を蝕んでいく。
告白すべきか、隠し通すべきか。
登場人物が皆、多かれ少なかれ狂っている。
主人公は言わずもがな。
この上なく狂っている時間と、冷静冷酷に状況判断する時間が混在している。
ただし妹は明晰かつ客観的な立場を貫く。
現代の小説に出てくる人物はこの種類が多いのかな。
そんな妹を受け入れられない主人公。
世話焼きの友人、警察署の事務官、妹の婚約者など、いろんな人間関係がごちゃごちゃになっている。
下巻が楽しみ。
楽しみというより、読まざるにはいられない。