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【読書録16007】 不屈の棋士

大川慎太郎 著

 

不屈の棋士 (講談社現代新書)

不屈の棋士 (講談社現代新書)

 

 

もともと茂木健一郎さんが薦めておられたので

手に取った、いや、キンドルにダウンロードした本。

 

アルファ碁が棋士に勝って早一年。

将棋もソフトに対して苦戦を強いられている。

情報学会からはソフトが人間をすでに超えたとの声明も出されているし。

 

そんな中、棋士がソフトについて、今後の将棋会について、どんなことを考えているのか。

著者が若手棋士から羽生さんを含むトップ棋士まで丹念に取材された結果を並べている。

 

活用している人、受け入れている人、受け入れていない人。

 

ただしすべての棋士が無視できなくなっている。

若手棋士はソフトに検索させていい手を見つけ、実際の場面でも活用している。

 

棋士が言っているのは、経験を積む前に頼る癖ができると足元が弱くなって危ないという観点。

 

まさにやと思う。

一方、こういう競技以外の場面はそういうものも活用する総合力の勝負なのか。

 

でも今仕事ですごい人と絡んでいるけど

結局その人の頭の中に何が入っているか、身体でどんな経験をしてきたか。

 

それが厚みになって周りの人が動く。

周りの人が動くから、仕事として進んでいく。

 

正しい方策をAIが出したときにどれだけの人が動くのか。

いや、正しい方策をAIが出してロボットが解決する時代に、

人が手を動かす価値がどこまであるのか。

 

すでにオリンピックは機械に負けて久しい。

でもオリンピックは残っている。

 

限界に挑戦する様が人の心を打つのか。

物質的な価値は機械で生み出し、

感情的な価値は人が生み出すのか。

 

とりあえず食べるならどこでもおいしいけど、

カウンターでおっちゃんが作ってくれる飯が一番うまい気がするよな。

 

そんな手触りがあとどれだけ残るのか。

残すのか。

 

 

飲み食い世界一の大阪 そして神戸。なのにあなたは京都へゆくの

飲み食い世界一の大阪 そして神戸。なのにあなたは京都へゆくの

 

 江弘毅さん言うところの「おいしい口」。

もう店に入る段階で、いや、店にいこうと思った瞬間から口が料理を出迎える姿勢になっている。

その「おいしい口」で食べたらもう何でもうんまい。

 

そういう感覚をどこまで作れるか。

これも一部の天才や修行者の感性(オリンピック選手)なら価値は出ても

大半の人のやり方(アマチュアランナーとか)では価値はでない。

 

でもまーあばたもエクボ、なのか?

 

 

とりとめなくなったけど、今後AIに置き換えられる時代でどう立ち振る舞うか。

 

先行事例としてぜひ読んでおくと、感じるものはあると思います。

オススメ。