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焦点

でっかいことに焦点を

100073: 人斬り伊蔵(98冊目)

司馬遼太郎 著

表題作をはじめとし、全8話からなる短編集。江戸時代が始まる前後や江戸末期という激動の時代を生きた人々を取り上げ、一生を丹念に追いかけている。

表題作は土佐勤王党岡田以蔵の人生を取り上げている。以蔵の身分は足軽であり、当時剣術を習える身ではなかった。しかし、宮本武蔵が剣術を自得したという話を信じ、自分も自ら鍛錬を積み、工夫を凝らして「強さ」を得た。ただし、その強さには歪があった。立場的に強いものには従ってしまうのだ。卑屈といってもいいかもしれない。その卑屈さが、人生の最後まで影響してくる。

人斬りとして生きた以蔵。歯をくいしばり続けていたのだろう。客観的に自分を見ることが必要なのかもしれない。歯をくいしばるべき時はいつなんやろう。どうやったら強く生きれるんやろうか。