焦点

でっかいことに焦点を

100049: 若者よ マルクスを読もう(74冊目)

内田樹

石川康宏 共著

読むべし。

20歳代の模索と情熱というサブタイトルがついている。
主語は読者ではなく、マルクス(たぶん)。
対象読者は高校生だとまえがきに書いてあるしね。

外観は、マットホワイトで凹凸がある触り心地のよい表紙に、黄色の帯がついている。
帯にあるコメントが挑発的。
『いいから黙って読みなさい(怒りマーク)』
さすが内田樹

内容は、内田樹と、同僚の石川康宏という大学の先生二人で、マルクスを持ち上げ、マルクスカッコいいスゲェと褒め称えるもの。
共産党宣言」「ユダヤ人問題によせて」「ヘーゲル法哲学批判序説」「経済学・哲学草稿」「ドイツ・イデオロギー」の5冊を取り上げている。
いずれもマルクスが20代のうちに書いた、エネルギーにみちみちている本(らしい)。

石川先生が内容の硬い説明をできるかぎり柔らかく行い、内田先生が混ぜっ返していると見せかけながらマルクスへ導く。
最強のコンビやなー。
よくわからなくなって投げ出しそうになるところで、わかるところ熱いところがやってきて、気づけば読み終わっている。
読み終わっても内容は正直殆ど分かっていないが、マルクスかっちょえぇ!という気持ちは伝わってきている。

マルクス自体の勉強はもちろん、マルクスに対する姿勢、マルクスに取り組む勢い、マルクスを眺める視線を得るために非常に有益な本だと感じる。

この本を何回も読み返し、実際のマルクスとも格闘することで、視野がひとつずつ上に上がっていくんじゃないかという期待感に満たされる一冊。

ぜひ。