090020: 日本国辺境論
内田 樹 著
辺境であることが日本人の思考や体に染み着いているという考えを補助線として、様々な日本人的特質について考察している本。
著者曰く、この辺境を軸とした分析の大部分は過去にやりつくされており、今回の本は改めて取り上げただけだという。
ただ、だから意味がないというわけではなく、この各民族に特徴的な考え方がどこからやってきて、我々の見る世界にどのようなバイアスをかけているのか。
それを知る作業は掃除や歯磨き、雪かき、どぶさらいのように、昨日やったら今日しなくてOKというものでは決してなく、やり続ける必要があるとのこと。
世界の片隅で、誰にも知られることなく働いてる人たちによって地球は崩壊から守られている。
この考え方は大げさなようだが、ほんまにそう?
直接的な例としてはゴミ収集を仕事とする人が挙げられ、遠い例では作家もそうなのかもしれない、ということが本書で得た一つ目の気づき。
他の点としては、戦争を回避(先延ばし)する行動をとりたいな、というもの。
日本が、驚異的な発展を戦後に遂げられたのは、辺境であるがゆえ、外部から来たるものに対する学びは驚異的に進むという能力を持つため。
その反面、過去から学ぶことはなく、そういう面ではもったいなくもある。
この点が、作者が(無意識的にしろ)押したかった点ではないかと僕は感じている。
現在の政治の状態が戦前の状態に近づいているという指摘をしばしば見かけるようになっている。
現在僕はそれがどうなのか判断材料はないが、この時代に生まれたことだし、調べて比較したい。
政治的には、戦争をすることによるメリットは少なからずあるのだろう(でないと戦争なんてとっくになくなっているはず)。
しかし、そんなことで人が死ぬのは、大切な人が殺し合いに参加するのは、避けたい。
そのためにできることを、していく。
少しだけでも、結果に近づく行動って何があるかな?